「みっちゃん総本店」の東京初出店。JR新橋駅近くで2019年オープン。フランチャイズ契約で株式会社トリプレッツが運営している。ビルの2階に入っているが、大きな看板が出ているのでとっても目立っている。店内は広く、席数も多い。どのテーブルにも鉄板がついており、鉄板前のカウンターも6席用意されている。
お好み焼は、粘りの強い生地を丁寧に丸く引き、削り節、キャベツ、天かす、も豚肉を2枚と重ねてゆき、ラードをひとかけら乗せてからひっくり返す。すこし焼いてから水を刺して蒸し焼きにする。その後も形を整えながら丁寧に焼いていく。そばは生麺。茹でたら鉄板に出して丸く整形して油を刺して焼く。カリッと焼けたら本体を重ねて、一呼吸置いてから、卵を鉄板にかち割り、ヘラの面で押しつぶすように広げて、本体を重ねる。しっかり火を通してからひっくり返し、ソースをハケで塗り、青のりで完成。
土曜のお昼。開店とほぼ同時に入店するものの、もう既に数組のお客さんが入っていた。コロナ禍も落ち着いてきているし、おそらく開店前から数組が並んでいたのでしょう。でも、店内は広く、席数も多い。しかも、わざわざ鉄板前に座ろうという人は少ないらしく、鉄板前の特等席を確保することができた。
注文は肉玉そばイカ天入り。普段はうどん派の私も、みっちゃんではどうしてもそばを食べたくなる。しかし、その瞬間、別のお客に運ばれていく肉玉うどんを見て心揺らぐ。あぁ、うどんも食べたいよ。いや、でも、それは次回にしようと初志貫徹を貫くことにした。
お好み焼を焼く手順を眺めていると、ここはまさにみっちゃん。ドロっとした生地も、キャベツの刻み方も、生麺の焼き方も、全てがみっちゃん。でも、心なしか、生地の上に乗せるキャベツの量が少なく感じたのは、東京の地だからだろうか、それとも私の記憶違いなのだろうか。そこはハッキリしなかった。
私のお好み焼は、しっかりと焼きを入れられて、程なく私の前へとすべってくる。シンプルな姿。どんなに乱暴にヘラを入れても形を保ち崩れない。みっちゃんの特徴だよね。そうして、最初の一口を頬張ると、玉子がしっかりと焼けた香りと、磯野製麺がこんがりと焼けた香ばしさ。そうそう、この香りこそがみっちゃんだよね。嬉しいな。
みっちゃんらしさを確認した後は、ただひたすら食べ進むのみ。後ろに待ち客はいないけれども、最速で食べて、なるべく早くカウンター席を空けようとするのは、サガなのでしょうか。気がつけば、先客たちを追い越して食べ終え、店を後にしていた。お好み焼でほてった身体に、昼下がりの日差しが少し眩しかった。(2021.12)