浅草の夜。軽くもつ焼きとホッピーを楽しんだ後、そうだお好み焼を食べようと思い立った。浅草には老舗のお好み店がいくつかあるが、あえて広島のお好み焼だ。少し離れていたが、ホッピー通りから離れ、国際通りをずっと南下し、蔵前へと辿り着く。たぶん、この辺のはずと、それらしき路地に入る。角を曲がり、向こうにあるはずと目を凝らすと、薄紫色の看板がうっすらと見えた。意外と暗い。
店内に入ると、鉄板前に陣取る常連らしき数人が壁を見つめている。その目線の先にはカープ中継。どうやらカープが勝っているらしい。ちょうど対戦相手が凡退し、ピンチを切り抜け、小さな歓声が店内に轟いた。その常連さん達に割って入るようにして鉄板前を確保する。
私も中継に釘付けになりながら、お好み焼も注文。メニューを見なくても食べたいものは決まってます。肉玉そばイカ天入り。もちろんビールもお願いします。ナイターにビールは付きものでしょう。すかさずビールが届いたので、一気に半分まで飲み干す。結構歩いてきたので、喉が乾いてたんですよ。そうして、スッとお通しが差し出される。ほうれん草のお浸しとオクラ。こういうの嬉しいよね。
そうして、中継を見ながらビールを空にするころ、お好み焼が焼きあがる。少し円形から崩れた姿で、結構ボリュームがあるタイプ。居酒屋を兼ねるお店としては大きい方。早速食べてみると、そばは蒸し麺のよう。全体的に味がしっかりして、少し柔らかめの仕上がり。うどんにしたら、私好みになりそうな予感。と思って改めてメニューを見ると、なんとそばは生麺も選べるみたい。うーん、つぎはうどんにするか、生麺にするか悩ましいなぁ。
少し食べ進んでから、味変で一味をかけようとしたら、そこに新井さんがいた。店主と話をしてみると、やはり広島出身。広島市内の何店かで働いた後、こちらのお店で雇われていたが、数年前に店舗を譲り受け、今はオーナー店主とのこと。広島でしっかりと修行してきたお店があるって心強いな。